蓮實重彦から始まる映画ガイド、ということだ。本書は百合を発見できる映画を古今東西300本以上紹介していて、日本→海外→アニメの順でリストアップされているのだが、その1本目、日本編である1933年の『港の日本娘』紹介文の出だしが「本作は江藤淳と蓮實重彦の~」なのだ。
続きを読む『AKIRA』――黙示録に立ち会うということ
映画を観る楽しみには色々な種類がある。映画なんて「面白い」か「つまらない」のみで判断すれば良いだろうという考えもあるが、なまじ本数を重ねていくにしたがって哀しいかな、生半可に無駄な知恵が備わってしまうのが映画好きのさだめだ。
続きを読む『ガス人間第一号』――アウトランドスの恋
よく「恋は盲目」などと言われたりするが、実際にその通りに目が見えなくなるとしたら困ったものである。この場合の「盲目」というのは「自分でも制御できない感情に振り回されて周りに気を配れなくなる」というような意味だと思われるが、恋愛というのは無条件に素晴らしいもので尊ばれるものとして捉えられがちである、が本質として危険なものであるという気付きなのではないか。
続きを読む『楽園』――業と鼓動
人は人をどう判断するのだろうか? 実際に生身と生身が出会うより前に例えば顔写真がある。「人を見た目で判断するな」とはよく言ったものだが、顔の造形、表情でその人間の知りようもない内面を勝手に推測して捏造してしまうのが常ではないか。
続きを読む『狼煙が呼ぶ』――ANARCHY IN THE SKY
いつも通っている映画館の前で見覚えのある人が煙草をふかしていた。朝の10時頃である。この映画館は歩道に隣接している位置にあるのだが、ここで喫煙するというのは所謂路上喫煙に当たるんじゃないのか、大丈夫なのかな?と少し不安になった。(詳しくは知らない、自分は煙草を吸わないし法律も全くわからないのでひょっとして問題ないのかも知れない)。
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