ワイルドサイドへの執着

童子の時は語ることも童子のごとく、思ふことも童子の如く、論ずることも童子の如くなりしが、人と成りては童子のことを棄てたり

アニメ

アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』からの敗走

2022年秋アニメだから一年遅れになってしまったが、意を決してアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』を観た。何故間が空いてしまったのかと言えば、クソったれな労働をしていたからでもあるし、同じ百合枠である前期『リコリス・リコイル』がてんで駄目だったせい…

『すずめの戸締まり』――全部アリバイに見える

私は、新海誠の映画を前作である『天気の子』しか観ていない。なので『すずめの戸締まり』を観に行った理由は、新海誠という作家目当てではなく、あくまでも「『天気の子』を作った監督の新作だったから」だ。

『アイの歌声を聴かせて』――百合を試すリトマス紙として

※この記事は映画本編とは一切関係ありません! 公開初日に『アイの歌声を聴かせて』を観たが、期待以上に良く出来たアニメ映画だった。高校生である彼女ら彼らの青春という類型的な題材を扱いながらも、「歌」という映画にとって扱いの難しい要素を、土屋太…

『ワンダーエッグ・プライオリティ』第3巻 Blu-ray/DVD 完全生産限定版特典のオリジナルドラマCDを聴いてくれという話

今更だが、2021年冬アニメとして放送された『ワンダーエッグ・プライオリティ』Blu-ray/DVDの第3巻が8月25日に発売された。

『ワンダーエッグ・プライオリティ』特別編――まだまだもういっかい

今年の一月に放送を開始したTVアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』は、まず事前情報として脚本である野島伸司の名前を全面に出す鳴り物入りの告知を行った。次いで名前に上がるのが監督である若林信になるが、この名前もコアなアニメファンには知れた…

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』――これで終わったと思うなよ

あらかじめ断っておくと、自分は「エヴァンゲリオン」という作品に思い入れはほとんど無い。興味があるとすれば特撮とアニメを掛けた映像的表現やそこから影響を受けた後年の作品、俗にセカイ系と言われる諸作、または樋口真嗣を始めとした庵野秀明から広が…

驚異卵の優先度における、時代感覚や価値観の是非について

まぁ、『ワンダーエッグ・プライオリティ』の話なんだが、先日何の気なしにネットサーフィンをしていたら、こんなページが目に入ってしまった。 ワンダーエッグプライオリティは、正しい物語なのか?そうでないのか? | 健康で文化的で最低な生活ブログ

『ワンダーエッグ・プライオリティ』――少女たちの戦いに加担せよ

「わかるかな、生まれてきた千のものたちは、生まれることができなかった兆のものたちの分も生きなくてはならない。それは、この世に存在しているすべてに掛けられた呪詛なんだ。君たちはそれから逃れることはできないんだよ」「……ぞっとしない話だ」――上遠…

『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』――世界は二人の為にある

「劇場版」とタイトルに付くのは当然TVシリーズからの続編だからだ。TVシリーズからの積み重ねの先にある決算としての物語であって、予習して併せて観るのが当たり前だろう。

『AKIRA』――黙示録に立ち会うということ

映画を観る楽しみには色々な種類がある。映画なんて「面白い」か「つまらない」のみで判断すれば良いだろうという考えもあるが、なまじ本数を重ねていくにしたがって哀しいかな、生半可に無駄な知恵が備わってしまうのが映画好きのさだめだ。

『天気の子』――少年よ、銃を取れ(取らない)

もしも罪を犯し 世界中敵にまわしても あなたと眠る夢を見続けてたい――aiko 「あした」 えー、映画、ひいてはフィクション全般は野蛮であってほしいと願っている。教科書で教えてくれるような道徳的で社会の規範に沿った「良い」とされる概念をブチ破って、…