ワイルドサイドへの執着

童子の時は語ることも童子のごとく、思ふことも童子の如く、論ずることも童子の如くなりしが、人と成りては童子のことを棄てたり

別冊宝島「怪獣学・入門!」を購入

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 サイクルショップで1992年に発行された「怪獣学・入門!」を購入した。これは後に映画秘宝を立ち上げる町山智浩氏が編集に関わっており、煽り文句曰く「日本で初めて、1冊丸ごと怪獣映画の本格評論!」。

寄稿している面子を見るとみうらじゅん會川昇切通理作小中千昭杉作J太郎……と現在も活躍している人達が多く名を連ねており、非常に豪華である。どれも怪獣(ウルトラマンも)を文化的観点から追及しており非常に興味深いのだが、一番興味深かったのは(というかこれ目的で購入した)のは赤坂憲雄氏の「ゴジラは、なぜ皇居を踏めないか?」である。これは町山智浩曰く「『ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃(以下GMK)』の原作」であり、事実GMKのゴジラ論はこれから取られていると思われる記述がある。GMKは自分が最も好きなゴジラ映画であり、映画のオールタイムベストの一つであり、最も好きな映画の一つであるからこの本はいつか買わねば、と前々から思っていた。それを偶然リサイクルショップで見つけたのだから狂喜乱舞した。値段は980円だったが、相場的には安かったのだろうか?内容は三島由紀夫の「英霊の聲」と初代ゴジラが影響関係にあったとのことから、ゴジラが何故皇居を踏めないのか、なぜ日本を襲うのかが書いてある。これが所謂「ゴジラ英霊論」なのだが、GMKで採用されているのもあり個人的に一番好きな「ゴジラ論」だったので、その原点を知れて非常に満足した。他にも「ゴジラは、なぜ「南」から来るのか?」「ウルトラマンは何故人類を守るのか?」「ウルトラマンにとって「正義」とは何か?」「子どもはなぜ、怪獣が好きなのか?」「日本人は、なぜ自力で怪獣が倒せないのか?」などなど興味深く面白い評論が目白押しである。是非古本屋、リサイクルショップ等で見つけたら手に取ってみてほしい。