ワイルドサイドへの執着

童子の時は語ることも童子のごとく、思ふことも童子の如く、論ずることも童子の如くなりしが、人と成りては童子のことを棄てたり

『ANNA/アナ』――美少女ガンアクションの贖罪

長く美しい脚をエロティックに披露してくれ、『映画は女(エロス)と拳銃(タナトス)』を地で行ける。――石井隆『黒の天使』Blu-ray BOX 特製ブックレット 女と銃という組み合わせ。それはある意味で男の願望を最も端的に具象化したものと言ってもいい。綺麗で色…

『ガス人間第一号』――アウトランドスの恋

よく「恋は盲目」などと言われたりするが、実際にその通りに目が見えなくなるとしたら困ったものである。この場合の「盲目」というのは「自分でも制御できない感情に振り回されて周りに気を配れなくなる」というような意味だと思われるが、恋愛というのは無…

『楽園』――業と鼓動

人は人をどう判断するのだろうか? 実際に生身と生身が出会うより前に例えば顔写真がある。「人を見た目で判断するな」とはよく言ったものだが、顔の造形、表情でその人間の知りようもない内面を勝手に推測して捏造してしまうのが常ではないか。

『狼煙が呼ぶ』――ANARCHY IN THE SKY

いつも通っている映画館の前で見覚えのある人が煙草をふかしていた。朝の10時頃である。この映画館は歩道に隣接している位置にあるのだが、ここで喫煙するというのは所謂路上喫煙に当たるんじゃないのか、大丈夫なのかな?と少し不安になった。(詳しくは知ら…

『アイネクライネナハトムジーク』――人と出会ってみよう

画面に一人の男がいる。その男は何やら通り過ぎる人々にアンケートを実施しているようである。しかし上手くないのか中々捕まらない。街頭モニターから賑やかな音が聞こえる。フッ……と夜の街で空しくなるような、手を止める。

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』――もしかしたら『エンドゲーム』が日本で作られない理由なのかも知れない

よく考えれば「お前達の平成って……醜くないか?」も変な台詞だ。元号である平成の歴史を指して醜いとする言説はニュースや週刊誌で評論家等が語るならまだ理解できるが、実際に本作『Over Quartzer』で発するのは子供向け特撮ヒーロー映画のラスボスなのであ…

『天気の子』――少年よ、銃を取れ(取らない)

もしも罪を犯し 世界中敵にまわしても あなたと眠る夢を見続けてたい――aiko 「あした」 えー、映画、ひいてはフィクション全般は野蛮であってほしいと願っている。教科書で教えてくれるような道徳的で社会の規範に沿った「良い」とされる概念をブチ破って、…

『岬の兄妹』――走れない現実

これは何事もそうなのだが、人は自然と慣れるように出来ている。最初は心に留めておいたのに時間が経つにつれて忘れたりどうでもよくなったりする。嬉しかったり苦しかったり、時々の様々の感情を忘れていくのも慣れの効用の一つである。

『こんな夜更けにバナナかよ』――理屈ではない世界の仕組みについて

わがままもいっぱい言っただろうけど、でもそのわがままというのは、あくまで健常者から見たわがままなんですよね。『こんな夜更けにバナナかよ』って、動けないなら、食べるなよっていう論理なんだよね。――「キネマ旬報」2019年1月上旬特別号 大泉洋グラビ…

フォーラム福島「現実対虚構inフクシマ 樋口真嗣・丹治匠トークライブ」レポート

1月28日にフォーラム福島で行われた「現実対虚構inフクシマ 樋口真嗣・丹治匠トークライブ」に行ったのであった。 www.forum-movie.net

『あゝ、荒野』――殺されるくらいなら、ブッ殺してやる

前篇、後篇の形式で公開され、その合計の上映時間が305分(5時間5分)という事から分かる通り、まず歪な映画であるのは間違いないだろう。新宿新次(菅田将暉)とバリカン建二(ヤン・イクチュン)を取り巻く人々の物語というだけで十分なのに、「自殺抑止研究会」…

ブログ名変更

「そんなブログ」から「ワイルドサイドへの執着」に変更。どうせ三日坊主でやめるだろうという予想に反し、なんだかんだで長文掃き出し用として機能しているので……。タイトルにそのまま「ブログ」は何か図々しい気がする。URLが変更できないのはまぁしょうが…

『アウトレイジ 最終章』――さらば愛しのヤクザ共

鑑賞後、というより鑑賞中どんどん加速していった形なのだが、面食らったのである。北野武の映画と言えば「面を食らう、不意を突かれる」という点が大きな魅力の一つだと思うが、今回の感覚は『TAKESHIS’』を始めとする所謂「自己検証三部作」の印象に近い。

実写『亜人』は実写『進撃の巨人』である

実写『進撃の巨人』(以下実写進撃)フリークとして劇場で驚いた。最近流行りの「これ実質○○じゃん」が我が身に降りかかるとは思ってもいなかったからである。

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を三池崇史監督作品として観る

年に二~三本ペースで公開される三池崇史の映画を足しげくチェックするのは、言うまでもなく映画好きの常識である。その内の一本として8月4日に公開されたのが『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』だが、これも過去の三池作品と同じよう…

ゴジラは「ガワ」だけ遵守していれば良し

1998年版『GODZILLA』(以下エメゴジ)を久しぶりに観たのだが、評価が対極の位置にある『シン・ゴジラ』と比較すると何かと興味深い。純粋に作品として比べると、方向性の違いがあり過ぎるとはいえどちらも万人が楽しめるエンターテイメント作であり、悪い作…

人間は死ね!『キングコング:髑髏島の巨神』

以前『シン・ゴジラ』の不満をブチ撒けた記事で「怪獣映画は物ブッ壊して人ブッ殺してナンボ」と書いたが、『髑髏島の巨神』は孤島が舞台故に「物をブッ壊す」快感には乏しかった、しかしそれを補うが如く「人をブッ殺す」快楽(ここでは怪獣映画特有のそれを…

実写映画『進撃の巨人』公式サイト消失事件

www.shingeki-seyo.com これが実写映画『進撃の巨人』の公式サイトのURLなのだが、何の気無しにアクセスすると見られなくなっていた。

映画は自由でいいと鈴木清順から勝手に教わった

以前、樋口真嗣の監督、特技監督作を網羅しようとしていた時期がある。『八岐大蛇の逆襲』、『ミカドロイド』など購入するには比較的割高、近場のレンタル店に並んでいない作品は除いて。そんな中で観たのが2001年に公開された『ピストルオペラ』だ。

『シン・ゴジラ』に足りないもの、それは製作者のイジワルである

初日でIMAXを2回、その後に1回。計3回。8月5日現在、『シン・ゴジラ』を劇場で観た回数である。1回目は正直「う~ん」となった。予告の印象からドが付く位のシリアス調なんだろうな、と予想していたからである。実際はコミカルなシーンも多々ありの見方によ…

実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(前篇)は俺の映画だった

一般的に評価の低い作品が好きになった場合、どうすればいいのか。あちこちで見る酷評、酷評、酷評。それらを見るのは非常~に精神的によろしくない。「自分」と「好みの作品」はほぼイコールで同調しているので、自分が貶されている、という気分になるから…

ゴジラシリーズのIMDbとYahoo!映画の評価(2016年6月現在)

また久々の更新。以前の記事から今まで、記事のネタはいくつかあったのだがどれも頓挫。文章をまとめることの難しさを改めて思い知った。ウダウダしている内に着々と迫る『シン・ゴジラ』の公開日。だが、公開までにまとめておきたいものがあった。

NHK 特集ドラマ『海底の君へ』について

2月20日、午後7時30分から8時43分までNHKで放送された『海底の君へ』を観た。流し見というか、ほとんど音のみを聞いていたという状態で観たが、オチに話が向かって行くにつれて引っかかるものがあったので終了10分前くらいは真剣に観た。結果、ある部分が非…

ガルパンを日本で実写映画化するとしたら監督は誰が適任かという話

久々の更新。忘備録的に使う予定だったので別にいいのだが(結局進撃後編のレビューも書けなかった)、今回は『ガールズ&パンツァー』(以下ガルパン)を実写化するとしたら監督は誰が適任だろう、という事を考えてみようと思う。なぜガルパンなのか、というと最…

別冊宝島「怪獣学・入門!」を購入

リサイクルショップで1992年に発行された「怪獣学・入門!」を購入した。これは後に映画秘宝を立ち上げる町山智浩氏が編集に関わっており、煽り文句曰く「日本で初めて、1冊丸ごと怪獣映画の本格評論!」。

実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の炎上騒ぎについて

「世界は、残酷だ。」2015年8月4日現在、実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』関連は荒れに荒れまくっている。映画の出来から関係者の発言、全部が「炎上」に加担している状況なのだ。

実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』について

実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』を初日の一番早い時間帯に観に行った。感想としては「予想以上」というのが正直な所だった。

ブログ開始

ユーライです。2015年8月現在では未成年。ジャンル問わず興味あり。自分が書きたい事や思った事をつらつらと書いていくブログにしたいと思います。