誰彼構わず大変だった年だと世間的には認知されているが、恐らく煽りを受けなかった人間として上位にいると思われるので余りにも図々しい。
続きを読む『AKIRA』――黙示録に立ち会うということ
映画を観る楽しみには色々な種類がある。映画なんて「面白い」か「つまらない」のみで判断すれば良いだろうという考えもあるが、なまじ本数を重ねていくにしたがって哀しいかな、生半可に無駄な知恵が備わってしまうのが映画好きのさだめだ。
続きを読む『ガス人間第一号』――アウトランドスの恋
よく「恋は盲目」などと言われたりするが、実際にその通りに目が見えなくなるとしたら困ったものである。この場合の「盲目」というのは「自分でも制御できない感情に振り回されて周りに気を配れなくなる」というような意味だと思われるが、恋愛というのは無条件に素晴らしいもので尊ばれるものとして捉えられがちである、が本質として危険なものであるという気付きなのではないか。
続きを読む『楽園』――業と鼓動
人は人をどう判断するのだろうか? 実際に生身と生身が出会うより前に例えば顔写真がある。「人を見た目で判断するな」とはよく言ったものだが、顔の造形、表情でその人間の知りようもない内面を勝手に推測して捏造してしまうのが常ではないか。
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